減税基金条例の廃止 ~その2~

前回のブログでは減税自治体構想及び減税基金条例が廃止されるまでの経緯について書きました。

このように、この構想は山田前区長が提唱したものではありましたが、減税基金条例が成立するまでには、減税自治体構想研究会での検討、区民への周知を含めて長い時間を要してきました。

その当時を振り返えると、リーマンショックや欧州危機が懸念されるなかで、区の財政は今後厳しい状況になるものと想定されていたことから、当初私自身としても、本当に実現可能なのか?という疑義を少なからず持っており、諸手を上げて賛成という立場ではありませんでした。

またこの構想は、将来にわたって杉並区政の基本的な考え方を定めるものであり、区民が構想を理解し、共感が得られなければ実行すべきでないとも考えていました。

そこで当時、私は会派(旧杉自)の幹事長を務めていましたが、減税基金条例の議案審査に臨むにあたり、政策判断の参考とするため、アンケートを付けた会派新聞を作成し、平成21年12月30日に区内16万6600部の新聞折り込みにて、減税自治体構想についての区民意向調査を独自に行いました。

またこのアンケート付き会派新聞は構想に対する独自の見解をあえて記載せず、区民の皆様が偏見を持たないように、なるべくニュートラルな状態でアンケートに答えていただきたく、その内容にも十分考慮して作成しました。

その結果、区が行ったパブリックコメントの回答数を上回る回答を頂き、それらを集計したところ、減税自治体構想について、「大賛成」が31%、「賛成」が23%「反対」は14%、そして「大反対」が25%「どちらとも言えない」と回答された方が7%で、賛成派が全体で54%と過半数を超える結果となりました。

このように当時、会派して独自の調査活動を行い、構想に対する賛意が過半数を超えていたことを最大限尊重しつつ以下の理由により減税基金条例に私は賛成しました。

~以下、平成22年予算委員会における会派の意見開陳より抜粋~
ここでは、今委員会の最重要議案である議案第4号杉並区減税基金条例に絞って、以下述べてまいりたいと存じます。
 この基金条例の前提である減税自治体構想については、初めてその構想を区長から伺ったときは、素直に申しまして、前代未聞、奇想天外という思いでありました。
しかし、研究会での検討や報告書の提出、フォーラムの開催などの具体化に向けた作業が進む過程において、我が会派内でも幾度となく議論を積み重ねていく中で、私たちも、この構想の意図するところについて自分たちなりに理解を深めてまいりました。
しかし、前代未聞の提案であるために、私どもも判断の基準を果たしてどこに置けばよいのか、悩んだところでもあります。
 悩んだときこそ、原点が大切です。そのような思いで、私たち会派は、この際、政治の原点であり政治の主役である区民の声を伺う必要があろうと判断し、会派で区政報告を作成し、新聞折り込みを通じて幅広く区民アンケートを実施したところであります。
また、このアンケートには、区民への十分な情報という意図とともに、政務調査費の効果的な活用という思いも含んでのことであります。
 さて、山田区長は、「杉並から日本を変える」をキャッチフレーズに区長に当選され、就任後、その思いから次々と政策を生み出し、自立した地方政府を目指した区政経営を進めてこられました。
私たち会派も、真に税金の無駄遣いをなくし、多様化する区民ニーズに的確にこたえていくためには、地方分権の推進こそが不可欠であり、そのためには、内政の主役は一刻も早く基礎自治体が担うべきという考えから、区長の区政運営に一貫して賛同してまいりました。
また、急速な少子高齢社会、人口減少社会の到来の中、これまでの従来踏襲型の行政運営からの変革、すなわち、新しい社会像に合致した新しい行政運営のモデルの構築を図ることこそが必要であるという点についても、考えを同じくするものであります。
 実はこの思いは、さきの総選挙で示した国民の意思であったとも理解するところであります。
しかし、さきに申したとおり、国政の現状をかんがみたとき、もはや国に頼っていても何も変わらない、期待できない状況が横たわっています。
しかし、この状況をいたずらに放置しておいては、日本そのものが沈没してしまうのではないかという強い危機感に襲われるわけであります。
 では、どうすればよいのか。国も地方も、政治は政治、住民の安心・安全を守り、日本をよくする使命は変わりません。国ができなければ地方が立ち上がるしかないのです。
山田区長は、減税自治体構想について語られるとき、幾度となく「不退転の決意」という言葉を発せられました。
その区長の熱い思いは、今、私が述べた今の、そして将来の日本に対しての強い危機感と、政治に携わる者の使命感からのものであり、この構想を世に問う意義はそこに見出されているものであると理解するものであり、私どもとその現状認識、時代認識とも完全に一致するものであります。
 また、変革が求められている今、あらゆるところで固定観念の打破の必要性が叫ばれています。
いまだに多くの地方自治体には、法定受託事務を長年請け負ってきた立場から、自分たちの置かれている状況を顧みず、ただ国の言うがままにその方向性に従い、もし何か不測の事態が起きても最終的には国が面倒を見てくれるという、無責任で安易な発想があるのではないでしょうか。
必要性の薄い箱物建設や使い切り予算に対しても何の疑問も持たないなどというのは、その最たる例ではないでしょうか。これらは、従来の、国が主で地方が従という固定観念にとらわれたものであり、地方分権を望む自らの立場を放棄するものであると言えます。
 国が完全に方向性を見失っている今、地方から国をリードする大胆な発想と気概が求められているのではないでしょうか。
大量の赤字国債を無軌道に発行し、収支バランスが完全に崩れている国に対して、地方から、自治体から、国民が切望する規律ある財政運営のあり方を発信していくべきときであると思います。
 また、奇想天外と思われても、だれもが当たり前というものに対して疑問を呈し、議論を巻き起こすということが、固定観念の打破には一番の近道であると言えます。そういった中で、この構想が杉並でスタートする意義は非常に大きなものがあると思います。
 そういう思いから、私ども会派は、区長が提唱する減税自治体構想については賛意を示すものであります。
 また、私たちが所属する自民党が、さきの総選挙での惨敗を機に新たに策定した新しい党綱領においても、将来の納税者の汗の結晶の使用選択権を奪わぬよう、また次世代の意思決定を損なわぬように、財政を再建するという点であったことも、賛成理由の1つである旨も申し添えておきます。
 ただ、上程されました構想の具体案である減税基金条例については、賛意を示した者の責任として、この構想が後世に対し、より自信から確信へとつなげていくために、私どもは議会の権能として一定の修正を加えさせていただいたところであります。
したがって、議案第4号杉並区減税基金条例につきましては、修正案及び修正部分を除いた原案に賛成するものであります。
 さて、我が会派の委員が質疑の中で申し上げたとおり、「歴史は未来学である」という言葉があります。
賛否どちらの選択が正しかったのかどうかは、将来に生きる区民が判断することであるとも言え、今後の区長選、区議会議員選挙では、常に大きな争点になることでしょう。
そういう意味では、この構想の今後は区民にゆだねられており、区民がその時々に杉並の自治を考える大きな判断材料の1つであると言えます。
そうした中において、予算特別委員会で再三再四指摘のあったこの構想の推進と、区民満足度の高い行政サービスの持続的充実については、どちらか一方が滞ることなく、常に車の両輪のように進めていくことが、この構想の成否のかぎを握っていると言っても過言ではないと思います。
この点について行政として細心の注意を払うことを要望するものであります。

 また、我が会派がアンケートをもとに委員会で指摘した若年層への周知の徹底と、世代間における構想への温度差についての配慮や、区民の代表である議会に対する十分な説明についても要望するものであります。



またまた長文となりましたので、次回に続く・・・・

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック